関西まうんてっく運営事務局ブログ【一期一会】

トモに、とことん登山を楽しみたい!をモットーにしたアウトドア活動ブログです。具体的には(* ̄∇ ̄)ノ
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~関西まうんてっく~【アウトドアサークル】
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小説風 2 氷ノ山 雪山山行



ー11月23日(木)AM:12:15ー


氷ノ山 山頂付近



《ビュー ビューゴー ゴー》


容赦なく、雪混じりの暴風が7名の身体に叩

きつける。

ちょっとでも、気を抜けば身体ごと風に飛ば

されそうになる感覚である。

口を開く者はいなかった。黙々と歩きつづけ

るのみである。

ほんの数分前までは、白い霞がかった場所で

あったが、突如として様相が一変した。場所は

、氷ノ山頂上まで500メートル地点 コシキ岩北

東である。

白い粉雪が容赦なく視界を遮る。顔を下向き

に変えて、ひたすら前に進む。

この場所は約40メートルほどだが、積雪すると

、大変危険な場所に様変わりする。夏も崖道に

変わりは無いが、山道が極端に痩せて狭い。北

側には大きな口を開けた断崖絶壁が聳える。危

険な場所である。昨年の雪上登山で、危険な山

道であると、注意した事を思い出した。

しかし、引き返すにしても、危険を伴う。猛

吹雪は、中腹から山頂にかけて猛威を奮ってい

る。全員の体力は、限界に近づきつつある。な

によりも、気温は、おそらく−0度近くであろう

。冷え切った身体に、暖を取らないと非常に危

険であると容易に想像出来る。

吹雪で、崖の踏み跡は全て消えて無くなってい

る。いちから自分でルートを確保しなければな

らない。



《ザクッ! ザクッ!》


アイゼンを装備した足が膝まで雪に埋もれてしまう。山頂付近の積雪は50センチをゆうに、超えている。時折、雪に足を取られバランスを崩しそうになる。

素早く慎重に、足場を踏み固めて前に進む。



「北側!岩壁!気をつけて!」



「滑落注意!」



瞬時に短い言葉で注意を促す。絶叫の雄叫びが暴風と暴雪に、音を遮断する。声が掻き消されてるようで、注意が、全員に届いているのかが、不安であった。

視界には、白一色の世界が広がる。

まさに、山は山頂への侵入者を拒もうとしてい

た。

ふと…私が師と仰ぐKさんの言葉を思い出した。


「ワシはな、山に神の存在を実感した。神の姿


を見たんや。だから、山が、やめられへん。」



朴訥とした師は、山屋と言うに相応しい。風貌は、山男そのものである。

師が、大真面目に放った言葉である。

師は10代の頃から山に目覚め、アルパインクラ

イミングで数々の山々や、アルプス踏破、海外

遠征にも参加した兵である。

山の世界では、歴戦の勇者である。

70歳を過ぎた老体ではあるが、クライミン

グなどは未だに現役であり、後進の指導にあた

っている。クライミング練習会の時などは、必

ずと言っていいほど怒号が飛ぶ。私は、よく怒

られる。幾多の危険を乗り切った経験は、命の

重さを知り尽くし、命の大事さを常に問いた。

私は、この御老体が大好きである。

私の少しばかりの山知識や技術などは、この御

老体の指導から受けた賜物である。

私の言葉は、ほとんどが…師の受売りなのであ

る。

厳しい師であるが、叱咤の後は、なんとも言え

ない人懐っこい笑顔をして、山のイロハを教え

てくれる。

御老体が放った言葉の真意は、実際に神の姿を

見たのでは無い。自然の前では人間は無力であ

る。

一筋縄ではいかない自然の力に神が創造する偉

大で絶大なる山の姿なのではないか。

と、一人合点の解釈をしている。

それは、私みたいな未熟者には、まだ計り知れないが…神の姿が想像がつかないのである。

自然の前に無力な私も、今まさに、御老体が仰

った…神と対峙しているのだろうか…

脳の片隅で高速回転で映像と言葉がフラッシュ

バック処理される。

少しも考える余地も与えない。

必死に、目の前にある雪を掻き分ける作業が続

く…

今、私は…神の前にもがき苦しむ一人の人間な

のであろう。


ー11月23日(木)AM:09:40ー

氷ノ山登山口


氷ノ山には、紅葉を散策する為に計画した

ハイクであった。

その為、登山ルートも鳥取県 若桜町から入り

ふれあいの里(8:00登山開始)~氷ノ山超~コシ

キ岩~氷ノ山山頂(12:00到着昼食)~三の丸

~わかさ氷ノ山スキー場~ふれあいの里(15:0

0)と、頭の中では、紅葉に覆われた赤や黄色

の氷ノ山を想像していた。

のんびりとした紅葉ハイクだったのである。

山行2日前に、突如として日本列島に寒気が入

り込み、氷ノ山は初冠雪を記録した。

即座に、若桜町役場に連絡を行い氷ノ山の現

状を確認した。

20センチの積雪を観測した事と登山は雪山装備

で絶対に登る事。後は、山頂ライヴカメラでの

確認は行う事をご教示頂いた。

すぐに、一緒に行く氷ノ山山行者に連絡を行

い、現状報告と雪山装備での参加を促した。

意外にも、全員が山行参加を承知した。

当日は、夜も明けぬ4時に起床し、5時には神戸を出発した。遠くは奈良や大阪から参加のメンバーは、ゲストハウスに宿泊してもらった。 特に問題も無く、乗り合いの車は、一路兵庫最高峰 氷ノ山に向かった。高速を乗り継ぎ

ち、国道を北上する。車窓から見える山々は、どれも眩しいばかりの黄色や赤色の紅葉に身を包んでいた。

山々が変化したのは、戸倉峠のトンネルを越

えた兵庫県と鳥取県の県境付近である。チラホ

ラ…山の頂上に白い雪が確認出来た。

想像通りだが、氷ノ山登山口付近は、銀世

界であった。

計画していた当初予定は、ふれあいの里~氷

ノ山超~コシキ岩~氷ノ山山頂 そのままピス

トン下山に変更した。

危険と判断したら、即座に引き返す事も予め

全員の共有認識事項とした。

登山口にて登山届を記入した。寒さで、書い

た文字が震える。

獣避けの、柵を越え入山した後は、壮大なブ

ナ林が出迎えてくれた。一向は、今年初めて見

る雪景色に歓喜した。人は、いつになっても、

雪を見ると童心に帰る生き物らしい。 雪道は、やはり普通の山道より難渋する。歩くたびに、靴が雪にめり込む。太ももと袋はぎは、歩く負荷を何倍も吸収した。

何かモヤモヤした違和感を感じ始めた。辺りは白い靄がたちはじめていた。



ー11月23日(木)AM:11:40ー

氷ノ山


《ビュー ビューゴー ゴー》


あいも変わらず、暴風と暴雪が吹き付ける。

崖を突破して、山頂手前300メートル手前ま

で来た。

氷ノ山山頂にある避難小屋は視認出来ない。氷

ノ山超でセットしたコンパスは間違いなく氷ノ

山山頂を指している。後ろを振り返っては、全

員が居る事を確かめる。

一歩一歩、足元を固めて歩く。

白一色の世界に轟音が鳴り響く。非現実的な世

界である。


昔…富士山に行った時も、そうだった。天候

不良で暴風雨と雷に襲われた。真夜中に起床し

8合目の山小屋より山頂を目指した。その時と

似た感覚であった。

雷光が花火のように、暗黒の空を明るくさせ

た。暗から明へ明から暗へ、繰り返し同じ

不規則世界が続いていた。

その世界に、コダマするのは、強風の音だけ

であった。



《ビュー ビューゴー ゴー》



左前方…10時の方向に黒い立体的な建築物が

視認出来た。

トンガリ屋根は、氷ノ山避難小屋の特徴である。

「頂上!避難小屋!もう少し!頑張って!」と

声を振り絞る。

全員が力を希望を見た。避難小屋の扉を開け、

中に入る。安堵の様相である。息を整える。

暖かい。暖房が有るはずも無いのだが、暖かく

感じる。

生きている実感を与えてくれる。早々に持参し

た暖かい飲み物で冷えた身体の体温を上昇させ

る。体温が上げると、少し室内が寒いと感じた。 暴風が窓や扉を断続的にノックする音が響き渡っている。




昼食で体力を回復させた一向は、一気に中腹

までピストン下山した。

中腹は、頂上と比べるでも無く平穏な世界を取

り戻していた。

まずは、一安心する。

誰もが安堵の表情を浮かべる。

私は、足元にあった雪の塊を後方に投げて見

る。雪の塊が誰かの、肩に当たった。

それが合図と言わんばかりに、雪合戦の始まり

となった。全員が、笑顔で雪を投げ合っている

。先ほどまでの、必死感は…今は無い。

やはり、雪を見ると人は童心に帰るもんだと改

めて、一人得心した。




今は全員が無事に下山出来たことに、安堵感だけが、心に広がっている。

安心すると、疲労感が身体の奥底から染み出し

てくる。11月の氷ノ山は、例年にないくらいに、雪を降らせた。これからが本番である。山は、時に暴風暴雪となり、思いもよらない試練を私たち人間に、与える事がある。


雪合戦の姿を遠望しながら、御老体の言葉を思い出した。


「神の姿…」と…口に出てしまった。


氷ノ山山頂を、ゆっくりと見上げてみる。


「確かに、神は…居るかも…」と…また、口に


出してしまった。自分が思ってたより、大きな声を発してしまった。慌てて周囲を見渡したが、誰も気づいていないようである。

一人、苦笑いをしてみせる。

今は、時が止まったかのような静寂な世界が目の前に広がる。

薄暗い空からは、桜のような美しい白い雪の花びら達が一向の頭上に、ヒラヒラと舞い落ちていた。




おわり




(あとがき)


氷ノ山は標高1,510m兵庫県県最高峰の山である。美しく気高い山姿は見るものを魅了する。ブナ林も壮大で山頂からの景色は圧巻である。そんな山行を想像していたのだが…結果は雪上登山となってしまった。今からの季節は、雪と格闘する日々が多くなるであろう。読者におかれても、くれぐれも雪山に対する装備の準備は万端に行うように、切にお願いしたい。



《お山の説明》


氷ノ山は日本二百名山のひとつ。那岐山(なぎさん)や瀞川平(とろかわたいら)とともに「氷ノ山後山那岐山国定公園」に指定されています。

標高1,510m、大山に次いで中国山地第2の高峰で若桜町側からは氷ノ越コース(初心者向け)、仙谷コース(中級・上級者向け)、三ノ丸コース(中級・上級者向け)の3つのコースがあります。

視界の良い日は、大山、山陽方面や四国方面まで見渡すことができ、貴重なブナの自然林を豊富に抱え、「母なる森」と呼ばれ、天然記念物のイヌワシ、ヤマネ、をはじめ、アサギマダラ、ヤマセミなど様々な動物が生息しています。









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